- アダルトチルドレンとは
- アダルトチルドレンの主な原因
- アダルトチルドレンの特徴と症状
- アダルトチルドレンの診断方法
- アダルトチルドレンの治療・治し方
- アダルトチルドレンが原因となり想定される二次的な疾患について
アダルトチルドレンとは
アダルトチルドレンとは、子ども時代の家庭環境や教育、社会との不適合などを原因として、こころに傷を負っている大人のことを指します(※子どもっぽい大人という意味ではありません)。
こころの傷によって、必要以上に自分を責める・卑下する、人間関係の構築が難しい、感情がコントロールできない、依存症になりやすいといった症状や特徴・問題が生じます。
心当たりのある症状・問題がございましたら、お気軽に当院にご相談ください。うつ病・不安障害・適応障害・摂食障害・PTSDなどの疾患や障害が付随している場合には、その治療を行います。
アダルトチルドレンの主な原因
家庭環境
子ども時代の、両親の不仲・離婚・別居、身体的・精神的・性的虐待、ネグレクト(育児放棄)、貧困、家族のアルコール・薬物への依存や精神疾患などが挙げられます。
自分自身が巻き込まれているケースもあれば、そのような現場・状況を目撃しているケースもあります。
教育・社会との不適合
多様性が重視される現代でも、学校現場では「勉強やスポーツができる子が褒められる・優遇される」という現実があります。そのような限定的な価値観に直面し、自分に価値がない・必要とされていないと思い込んでしまうことも、アダルトチルドレンの原因となります。誤った思い込みから、クラスなどでの孤立につながるケースも少なくありません。
またいわゆる「できる子」であっても、大人の理不尽さや都合に振り回され、辛い想いをした・挫折したために、アダルトチルドレンになってしまうということもあります。
アダルトチルドレンの
特徴と症状
アダルトチルドレンには、以下のような特徴・症状が見られます。
これらの特徴・症状は、自覚できていないケースも少なくありません。ご家族、同僚、ご友人などから指摘されたことのある性格なども考慮して、照らし合わせてみてください。
- 何をしても、楽しいと思えない
- まわりの人が楽しそうに見え、自分だけが違うという気がする
- SNSなどでキラキラしている人を見るのが辛い
- すぐに自分を責めてしまう、卑下した考えを持っている
- 失敗を引きずり、再チャレンジができない
- 被害妄想が激しい、急に攻撃的(発言・考え)になってしまうことがある
- 感情の起伏が激しい、感情のコントロールが難しい
- 職場、グループなどで良好な人間関係を築くことが難しい
- 「距離がある」「壁がある」と言われることがある
- パートナーに依存しやすい
- 引きこもりがち
- 自傷行為をすることもある
アダルトチルドレンの診断方法
アダルトチルドレンであるかどうかは、症状や特徴、成育歴・子ども時代の家庭環境・現在の状況などをお伺いした上で、総合的に判断します。
また、うつ病、不安障害、適応障害、PTSD、依存症、摂食障害などが疑われる場合には、その疾患・障害に応じた診断基準を用いて診断します。
アダルトチルドレンの
治療・治し方
「アダルトチルドレン」とは、病名・診断名ではありません。
付随する疾患(うつ病・不安障害・適応障害・摂食障害・PTSDなど)に応じた治療を行います。
薬物療法
疾患・症状に応じて、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、漢方薬などを処方します。
認知行動療法
アダルトチルドレンの方は、「生き方が間違っていた・間違っている」といった誤った認知を持っていることが多くなります。認知行動療法では、その誤った認知を正すことで、症状の軽減を図ります。
自助会への参加
当事者同士の語らいも、アダルトチルドレンや付随する疾患になったこと・現在のご自身を受け入れることに役立ちます。
ご希望がございましたら、ご案内します。
アダルトチルドレンが
原因となり想定される
二次的な疾患について
アダルトチルドレンの方に起こりやすい疾患・障害としては、以下のようなものが挙げられます。
- うつ病
- 不安障害
- 適応障害
- PTSD(心的外傷後ストレス障害)
- 依存症
- 摂食障害
上記のような疾患・障害が疑われる場合には、それぞれの診断基準を用いて診断し、疾患・障害に応じた治療を行います。