- 嫌な記憶がフラッシュバック・トラウマで
泣いたりして悩まれている方へ - フラッシュバックとは
- トラウマとは
- フラッシュバックとトラウマの違い
- フラッシュバックやトラウマの克服方法・
対処法 - フラッシュバックやトラウマによる
考えられる疾患・治し方
嫌な記憶がフラッシュバック・トラウマで泣いたりして
悩まれている方へ
辛い記憶がフラッシュバックして息が苦しくなる・涙が出る、トラウマが原因で日常生活に支障が出ているといった場合には、当院にご相談ください。
このページでは、フラッシュバック・トラウマの具体的な症状、考えられる疾患、対処法・治療法などについてご紹介します。
フラッシュバックとは
フラッシュバックとは、過去にあった辛い体験・目撃経験などが鮮明によみがえり、辛くなる・苦しくなるという症状です。考えまいとしてもそれができず、治まってからも次のフラッシュバックへの恐怖から、不安な状態が続きます。
症状
発症するタイミングは、その嫌な記憶と似た状況を迎えた時が多くなります。一方で、記憶と何の関係もない場面で突然起こるということもあります。

- 過去の嫌な記憶がよみがえる
- 辛くなる、苦しくなる
- 悲しくなる、涙が出る
- 怒り、憎しみ
- 焦り、焦燥感
- 頭が真っ白になり、何も考えられなくなる
- 次いつ起こるかという不安、似た場所やシチュエーションを避ける
トラウマとは
トラウマとは、事件・事故、戦争、他者からの暴言などの辛いできごとが、その後の人生にさまざまな影響を及ぼすことを指します。
優しい言葉で言うと、「心の傷を抱えている状態」となります。
症状
トラウマでは、以下のような症状・影響が生じます。
感情・考え方に現れる
症状、影響
恐怖、不安、落ち込み、悲観的、憂うつ、怒りといった感情・思考が頭に浮かびやすく、続きやすくなります。
身体に現れる症状、影響
動悸、震え、頭痛、吐き気、めまい、不眠、発汗/寒気などの症状が身体に現れやすくなります。
行動に表れる症状・影響
怒りに任せて暴言を吐く、行動する、暴力をふさぐといったような攻撃性の高まりが見られます。また一方で、落ち込んでふさぎ込んでしまうということもあります。
心の傷を負った場所・似たシチュエーションを避けようとする、アルコール・薬物への依存、過食・拒食といった行動をする人もいます。
フラッシュバックと
トラウマの違い
フラッシュバックが、「嫌な記憶を思い出し辛い気持ちになること」という発作的な症状であるのに対して、トラウマでは「心の傷によって心身や行動に影響すること」を指します。またトラウマは症状というよりも状態を表す言葉であり、その影響によって起こる症状とはまた別に考えます。
フラッシュバックやトラウマの克服方法・対処法
もっとも大切なのは、心療内科・精神科などを受診し、治療を受けることです。自力での克服は簡単ではありません。
心療内科や精神科を受診することにどうしても抵抗があるという場合には、以下のような方法をお試しください。
症状が出る時の状況を
書き出してみる
どのような場面で症状が出るかを、紙に書き出すという方法です。場所・状況の傾向が掴めれば、その場所・状況を回避することで、一定程度の症状の予防が可能です。
ただし、生活する上でその場所・状況が避けられない、避けることで余計に意識してしまうということもあるため、お困りの際には当院にご相談ください。
環境を変える
自宅で辛いできごとが起こったのであれば、転居をおすすめします。最寄り駅が違う地域に引っ越す、遠くに引っ越すことが必要になることもあります。事件や事故が起きた場所、辛い思いをした場所から離れて生活をすることが大切です。
瞑想
瞑想とは、目を閉じて静かに考えることを指します。あまり難しく捉える必要はなく、さまざまな瞑想法がありますので、自分に合ったもの、続けやすいものを試してみることをおすすめします。
こういった方法を試しても改善しない場合には、どうぞ勇気を持って、当院にご相談ください。
フラッシュバックやトラウマによる考えられる疾患・治し方
急性ストレス障害
事故や事件に巻き込まれ、あるいは目撃したことで強いストレスを感じ、慢性的な不安、似たシチュエーションにおける恐怖、自分が自分でなくなるような感覚、フラッシュバック、不眠・悪夢、イライラ、音や動きへの過敏、集中力の低下といった症状が引き起こされるストレス障害です。フラッシュバックの恐怖から、似たシチュエーションを避ける等の行動も見られます。急性ストレス障害は、通常1ヶ月以内に落ち着きます。
治療では、原因となったできごとを医師・カウンセラーなどに話す心理療法が大切になります。必要に応じて、薬物療法を導入します。
心的外傷後ストレス障害
急性ストレス障害の症状が1ヶ月以上の長期にわたって続く場合、心的外傷後ストレス障害となります。多くは強いストレスを受けた後、数週間以内に発症します。ただし、何年も経過してから発症するというケースも見られます。
治療では、心理療法が中心となります。また症状に応じて、お薬を使った治療も併用します。
自閉症スペクトラム症
人とのコミュニケーションの困難、こだわりの強さが見られる発達障害です。その症状の1つとして、過去の嫌な記憶がよみがえるフラッシュバックが起こることがあります。
治療では、患者様の得意・不得意を整理し、適切な対応・環境調整をします。うつ病や不安障害がある場合には、それらに対する薬物療法も行います。